【セミナーメタボにご用心】勤めていた会社がセミナーにハマった

スポンサーリンク

Twitterで、マルチまがいのセミナーにはまったこと、そしてそこから抜け出したという投稿を見て身につまされる思いになったので、ちょっと私なりの考えを書いていきます。

前の会社はどんな会社?

私はその会社の経理事務として働いていました。従業員は50人くらいの小さな会社です。事業内容は接客業。
私は店には立たず、事務方として働いていました。
事務所は小さく、どちらかというと家庭的。社長や奥さん、幹部は事務所によく出入りするため、お店の人たちより、幹部の人たちとのほうが距離が近く、気に入られていました(たぶん)。

会社がセミナーにハマった

ある日、同業他社さんが集まる会議で、あるセミナーを受講しました。
うちの会社の幹部が、それにひどく感銘をうけてしまいました。

そのセミナーは、幹部と一部従業員(”幹部Jr”と表現します。幹部候補。簡単に言ってしまえば、幹部のお気に入り)のみ参加していました。私も受講しました。
確かに話の上手な講師でした。相手のレベルによって話し方を変えて、楽しく受講できるように工夫されているのが分かります。

ただ内容といえば、「みんな、あいさつは大切だよー」「相手の話を聞くときは、うなずこうねー」「朝礼でコミュニケーションをとろうよ」という、ありふれたもの。

しかし幹部はその話がとてもありがたく、ぜひ全従業員にも聞かせたいと思ったようでした。
その講師は、この業種の界隈では有名なようで、全国を飛び回って講演をしています。
講師と連絡を取って、こちらにくるタイミングで、セミナーを全従業員に受けさせました。

セミナーは成功?

全従業員に受けさせたセミナーは大成功!
従業員に書かせたレポートも素晴らしく、幹部は大満足。これでお店も変わると確信しました。

全員の意識が高まり、それまでグダグダだった朝礼が一新されました。
まず朝礼は全員の握手から始まる。そして各担当からの連絡事項は、全員うなずきながら聞く。
なるほど意識が高まったのならステキなことだね、と思っていたのもつかの間、一か月もしないうちに朝礼はまたグダグダに。

また、店舗勤務の子はよく事務所にくるのですが、あいさつ一つできません。
こんにちはも、お疲れ様ですも言えないし、敬語も使えません。
「あ、これ、なんか出せって言われてぇ」
と書類を突き出すだけなのです。

ねえセミナー、意味あった?

セミナーの成果を見学

少し時間が戻ります。
セミナー受講後一週間。
幹部が嬉しそうに、

「よっぱさん、朝礼がすごくよくなったから、ぜひ見てあげて!」

と言うので、私は二度、朝礼を見学しました。

一度目はセミナーの一週間後。
確かに何となくピリッとした朝礼でした。全員で握手をし、社訓を唱和。
しかし連絡事項の発表になると、ちょっと飽きてきた人たちは大あくび。
つまらなそうにきょろきょろしたり、店舗内の鏡に映る自分をちらちら見て前髪を直したり。
相手の話をうなずきながら聞くのはどこへ行った!

二度目はセミナーの一か月後。
時間になると、一応全員集まります。しかし、グダグダ。
その時はちょうど、幹部Jrが休みだったこともあったのかもしれません。
握手はなし。
社訓も省略バージョン。
連絡事項は、担当がノートをお経のように読み上げているだけ。誰も聞いていない。
完全に形骸化していました。

ひどい茶番でした

セミナーは失敗だった。私はそう思いました。
高い勉強代だったけれど仕方がない。
(経理なので、お代金が分かってしまうのです)

セミナーは失敗ではない

しかし幹部は、そうは思わなかったようです。
まず、幹部Jrの意識は確かに高まりました。
といっても、幹部のお気に入りの子たちです。もともと意識は高い子たちでした。

講師の話に感銘を受けた、もっと聞きたいなんて言っているようです。
そうなると、幹部もまんざらでもない。
そう、セミナーは成功だったんだと思っているようでした。

ここは、他の心理も働いているかと思います。
高い買い物をしたけれど無駄だった、と思いたくない習性が人間にはあります。
無理やりいいところを探して、失敗ではなかったと思い込むんですね。
そういう意味でも、セミナー沼は怖いです。

幹部も幹部Jrもセミナーを大絶賛しています。
会社は、その人たちの意識が高まれば、おのずと下も引っ張られると考えたようです。
幹部と幹部Jrに、もっとセミナーを受けさせるようにしました。

しかし講師は人気の先生。全国を飛び回っています。
なので、セミナーを受けるには、自分たちも追い掛け回さないとなりません。
会社のお金で、講師を追いかけました。

講師御大のお目に留まる

そんなことをしていれば、さすがに講師御大も無視はできなくなります。
全国についてくるかわいいファン。
ファンたちは毎回受講料を払って、ほくほく顔で帰っていきます。

御大のFacebookにも何度か紹介してもらいました。
会社は御大の大ファンなので、そんなことをしてもらったら、飛び上がるほど嬉しいに決まっています。

そうこうしているうちに、同業他社が集まる御大の講演で、うちの会社が発表をするといういことになりました。
とても名誉なことです。
ついに御大に見初められた。
御大と同じ舞台に立って、発表ができる。
幹部Jrは張り切って準備を始めました。

おそらく幹部Jrは知らなかったかと思いますが、講演で発表するというより、講演自体をうちの会社が開催するという形でした。
会場を用意し、講師の交通と宿泊を押さえ、謝礼も準備。
全て会社のお金です。
同業他社さんから受講料をもらいましたが、賄えるものではありませんでした。

おとずれた発表会

そして、発表の瞬間。
私も見学しました。

お客様と出会って良かったというエピソードを、一人一人舞台の上で発表するというものでした。

薄暗い会場で優しいオルゴール調の音楽が流れ、発表する子にスポットライトがあてられる。
発表したあとは、感極まって泣いてしまっていました。発表中に泣く子もいました。

御大も涙ぐみながら拍手を惜しみません。

発表が終わると全員で抱き合いながら、ここまでできた達成感を分かち合っていました。
会場は感動の嵐。

しかし私は、少し冷めた目で見ていました。

確かに、練習をたくさんしたのを知っています。
発表をした幹部Jrには、頑張ったねとねぎらう気持ちはあります。

でも、これで何か変わるの?

知ってる?
たくさんのお金を使ったよ。
時間も使ったね。

それで、幹部や幹部Jrたちはステップアップできたかもしれないけれど、それだけだよね。
本当にステップアップしたほうがいいのは、あいさつ一つできない、下の子。

相変わらず、お疲れ様ですの一つも言わないんだけれど。
社会人としてというより、人としてどうなの?

セミナー、意味ありました?

手段と目的の逆転

長々と前の会社のセミナーメタボぶりをご紹介しましたが、何が言いたかったかというと、手段目的がいつの間にか逆転してしまっていたのです。
セミナーは、よりよいお店にしていく”目的”ための”手段”にすぎません。
しかしいつのまにかセミナーに出席することや、御大に近づくこと、セミナーで素晴らしい発表をすることが”目的”になってしまっていたのです。

この逆転はよく起こります。
私もよく起こします。

私はカスタマイズが大好きです。ブログもカスタマイズしたくてしかたがありません。
そしてカスタマイズをしているうちに、cssやphpが勉強したくなります。
逆転です。
カスタマイズが目的で、cssの勉強は手段にすぎないのに、いつの間にかcssを学ぶことが目的になっていってしまいます。

以前、HPやブログをやっていたころは、その逆転が起こりました。
今は気を付けています。

セミナーに限らず、自己啓発系の本も同じことが言えます。
セミナーを受講すれば、自己啓発の本を読めば、ステップアップできた気がする

本当?

受けただけで満足していない?

持ち帰って、実行に移した?

セミナーを受けることは、手段にすぎないんだよ。
目的は、ステップアップすることだよね。

ステップアップ、しましたか?

してから、次のセミナーを受けましょ。

雑記
スポンサーリンク
Twitterやってます!フォロー大歓迎♪
フォローはこちらからお願いします(・ω・)ノ
今日のおかずは炊き込みご飯
タイトルとURLをコピーしました